無人ホテル運営の裏側

無人ホテル運営の裏側

日本の無人ホテルにおけるタブレットセルフチェックイン

近年、日本の宿泊業界では無人フロントの導入が進んでおり、多くのホテルや民泊施設でタブレット端末を活用したセルフチェックインシステムが導入されています。これにより、フロント業務の省力化や24時間対応が可能になり、人手不足の解消や顧客利便性の向上につながっています。

本記事では、無人ホテルにおけるセルフチェックインの一般的な流れ、タブレット上で行われる手続き、本人確認の方法、チェックイン時のトラブル対応策、具体的なホテル事例について詳しく解説します。

今日の内容

1.  セルフチェックインの一般的な流れ
2.  無人ホテルの具体的事例
3.  まとめ

セルフチェックインの一般的な流れ

無人ホテルのセルフチェックインは、予約情報の確認から客室キーの取得までをゲスト自身で完結できるように設計されています。一般的なチェックインの流れは以下の通りです。

・予約情報の確認

事前にオンラインチェックインを行った場合、ホテルから送付されたQRコードやチェックインコードを準備。

事前手続きがない場合でも、到着後にタブレット上で予約者名や予約番号を入力して照合可能。

・チェックイン端末の操作開始

ホテル到着後、ロビー等に設置されたタブレット端末の「セルフチェックイン」画面を起動し、手続きを開始。

・予約の呼び出し

タブレットに予約確認用のQRコードをかざすか、チェックインコードや予約名を入力して予約情報を呼び出す。

・宿泊者情報の入力

住所や職業など必要な情報をフォームに入力。

外国籍ゲストの場合はパスポート情報の入力が必要。

同意事項の確認と署名

宿泊約款や利用規約、プライバシーポリシーなどを確認し、デジタル署名を完了。

・本人確認手続き

法令に基づき、外国籍ゲストはパスポートの提示が義務付けられており、タブレットのカメラでスキャンするか、オペレーターとのビデオ通話で確認。

国内在住者は、顔写真撮影や身分証の読み取りを行う場合もある。

・宿泊料金の支払い

予約時に未決済の場合、クレジットカードや電子決済で支払いを実施。

多くの無人ホテルでは事前オンライン決済を採用し、現金対応は避ける傾向がある。

・客室キーの受け取り

カードキーの場合: タブレットと連動した発券機やエンコーダーからカードキーが自動発行される。

暗証番号/スマートロックの場合: タブレット画面上またはメールで解錠用暗証番号が提示される。

スマホアプリをルームキーとして利用するホテルもあり、チェックイン後にアプリで客室に入室可能。

・チェックイン完了

鍵を取得した時点でチェックイン完了。

施設によっては、タブレット画面で滞在中の案内や設備の使い方が表示される。

無人ホテルの具体的事例

mizuka(ミズカ)

福岡を中心に展開する無人ホテルチェーンで、タブレットチェックイン端末を設置。QRコードをかざすだけでセルフチェックインが完了し、客室に入室可能。全施設(11棟・約200室)をタブレットチェックイン+遠隔サポートスタッフ1名で運営しており、効率的なオペレーションが評価されている。

Rakuten STAY 博多祇園

楽天グループが展開する無人ホテルで、ロビーのタブレット端末を使ってチェックイン/アウトを実施。事前に送られるチェックインコードを入力し、宿泊者情報の登録、本人確認、規約同意を済ませることでチェックインが完了。客室のキー番号はオペレーターが案内し、スマートロックによる施錠管理を採用。

変なホテル

ロボットがフロント業務を担当することで話題のホテルだが、実際はタブレットを活用したセルフチェックインを導入。チェックイン時にはタブレットで予約者名を入力し、パスポートスキャンや顔認証システムで本人確認を実施。一部施設では、QRコードをかざすだけで最短5~10秒でチェックインが完了する「エクスプレスチェックイン」も導入。

プリンス スマートイン 熱海

スマホアプリとタブレットを活用した次世代型ホテル。宿泊予約からチェックイン、チェックアウト、客室キー発行までを専用アプリで完結できる。到着前にアプリ上で宿泊者情報や決済情報、顔写真を登録しておくと、ホテルのタブレット端末で顔認証チェックインが可能。デジタルに不慣れな方のために、有人サポートへの切り替えも可能。

まとめ

無人ホテルのセルフチェックインは、省人化とサービス品質の両立を目指した最新技術の活用例として注目されています。特にタブレットを活用したチェックインシステムは、24時間対応や非接触対応を可能にし、宿泊者の利便性を高めています。

今後も、法制度の変化や観光需要の回復に伴い、無人ホテルの運営方式はさらに進化していくことでしょう。