香港発・大地震予言とホテル業界の対応策
- 2025年6月8日
今日の内容
1. 日本で大地震が起こる?予言漫画の影響で香港からの訪日旅行に不安の声
2. 実際に航空便にも変化が
3. ホテル売上にもダメージが…
4. こういう時こそ柔軟な対応を!
5. まとめ
日本で大地震が起こる?予言漫画の影響で香港からの訪日旅行に不安の声
最近、香港をはじめとするアジアの一部で、日本旅行に行くのをためらう動きが広がっています。きっかけは、たつき諒さんの漫画『私が見た未来』にまつわる噂。1999年に出版されたこの漫画が、実際に2011年の東日本大震災を「予言していた」と言われており、さらに2021年版では2025年7月5日に大きな地震や津波が日本や太平洋沿岸を襲うと記されているそうです。
もちろん、この予言に科学的な裏付けはまったくありません。それでもSNSや口コミで話題が広まり、香港や台湾を中心に「日本は危ないかもしれない」と不安が膨らんでいる様子です。特に夏の旅行シーズンを前に、こうした噂を気にして日本行きをキャンセル・延期する動きが出ており、経済面でも無視できない影響が出ているようです。
実際に航空便にも変化が
香港では、訪日旅行の需要減少を受けて航空便の運休や減便が進んでいます。例えばグレーターベイ航空は、5月13日から10月25日までの間、香港-仙台路線を週4往復から週3往復に、香港-徳島路線を週3往復から週2往復にそれぞれ減らすことを決めました。福岡・名古屋(中部)・新千歳とを結ぶ便についても、運航数を減らす予定とのことです。
さらに、旅行データ会社フォワードキーズのデータをもとにしたブルームバーグ社の分析によると、香港や台湾、韓国などからの日本行き航空券の予約数は、4月以降大きく落ち込んでいるそうです。特に香港発の予約は、前年同時期比で平均して50%も減少。しかも、7月5日を含む6月下旬から7月上旬にかけては、予約がなんと前年同時期比の83%にまで落ち込んでしまったというのです。

ホテル売上にもダメージが…
実際に、こうした噂や不安心理の影響は、ホテルの売上にも現れています。とあるホテルの直近4か月間の香港売上データ前年同時期比を見てみると、3月はプラス6%、4月はプラス208%と一時的に大きく伸びました。しかし、5月にはプラス4.7%に落ち着き、そして6月には一気にマイナス92.7%にまで落ち込んでいます。
このブログを書いている段階では6月がまだ終わっていないので、正式な比較はできません。それでも、ここまで大幅に数字が下がっているのを見ると、やはり今回の影響の大きさを痛感せざるを得ません
こういう時こそ柔軟な対応を!
こうした不安や噂に伴う需要減少に、ホテルとしてどう対応すべきか。ここでは、いくつか具体的なアイデアをまとめてみました。
①期間限定の特別プランを打ち出す
普段より料金を抑えて、稼働率を重視する販売戦略に切り替えるのも一つの手です。
②安心感をプラスする付加価値提案
たとえば「災害などで旅行が困難になった場合はキャンセル料無料」など、お客様にとって安心できるキャンセルポリシーに切り替えるのもおすすめです。無料キャンセルや、直前までのキャンセル料緩和は、旅行の計画に迷う方にとって大きな安心材料になります。
③不安の払拭に向けた情報発信
風評被害が出ている中で、ホテルとしても正確な情報を届けていくことが大切です。今回、日本政府観光局(JNTO)香港事務所が「この予言には科学的な根拠はない」と公式に発表し、冷静な行動を呼びかけています。こうした公的な情報に基づき、ホテルも自社の海外向けSNS等で「安全に滞在いただける準備が整っています」といった前向きなメッセージを発信していくと良いでしょう。
まとめ
今回の“予言漫画”による不安の広がりは、ホテル業界にとって予期せぬ逆風でした。しかし、こうした風評被害をどう乗り越えるかは、今後の成長を左右する大切なポイントです。柔軟な戦略と冷静な情報発信を武器に、また安心して旅を楽しんでもらえる日を迎えましょう。