無人ホテル運営の裏側

無人ホテル運営の裏側

年末の最低価格をシンプルに決める方法

同じ年末でも「曜日・並び」によって需要の伸び方は大きく変動します。
だからこそ、“去年の設定のコピペ”は最も危険な運用方法です。

日並びによって“需要の量”や“動き出すタイミング”は変わりますが、
年末の“日付ごとの強さ(S/A/B/Cの順位)”は毎年ほぼ同じです。
この考え方を押さえておくと、年が変わっても価格設定の軸がブレません。

結論、
① 日並びを需要ランクに変換 → ② ランクごとの倍率を決定 → ③ 最低価格に落とし込む
この3ステップだけでOKです。


① 日並びを「需要ランク」に変換する

年によって日並びは変わりますが、需要の強さは毎年ほぼ必ずこの順番になります。

【最上位(S)】

12/29・12/30・12/31・1/1
→ カップル・家族・帰省・イベントが全部重なる「神日」

【強い(A)】

12/28、1/2
→ 前入り組・後泊組が多い

【中間(B)】

1/3
→ 徐々に帰省客が減り始める日

【弱い(C)】

12/26・12/27、1/4・1/5
→ 休暇の谷間


② 需要ランクごとに「倍率」を固定しておく

日並びが違っても、ランクごとに倍率が決まっていれば毎年安定します。

需要ランク 最低価格の目安 倍率(前年平均ADRに対して)
S(最上位) 一番強く売る 1.5〜2.0倍
A(強い) 強気 1.3〜1.5倍
B(中間) 普通 1.1〜1.2倍
C(弱い) 埋めに行く 0.9〜1.0倍

③ ランク別に最低価格を割り当てる

例えば、年末の過去平均ADRが「55,000円」だった場合:

ランク 倍率 最低料金
S 1.5〜2.0 82,500〜110,000円
A 1.3〜1.5 71,500〜82,500円
B 1.1〜1.2 60,500〜66,000円
C 0.9〜1.0 49,500〜55,000円

→ これなら日並びが違っても一切ブレない。


なぜこの方法でOKなの?

  • どの年も「強い日」はだいたい同じ
  • 違うのは“曜日の位置”と“強さの大小”だけ
  • ランク制にすると毎年同じ基準で最適化できる

あなたにとって一番良い使い方

  1. 過去データから「年末の平均ADR」を出す
  2. 上のランク表をそのまま当てはめる
  3. あとは OTA・競合を見ながら微調整

これだけで「攻めすぎない・安売りしない」ラインが完成します。

すでにSランク相当の料金にしても予約が動かない場合は、
ワンランク下げてAランクの価格帯から試すのがおすすめです。

大事なのは「一度決めたら終わり」ではなく、設定後も小さく調整し続けることです。