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ホテルのレベニューマネジメント:安売りの罠を防ぐ
「価格調整・プロモーション判断フロー」
皆さん、こんにちは。
ホテルのレベニューマネジメント(収益管理)を担当していると、日々こんな悩みに直面しませんか?
「予約の入りが少し鈍い。ベースの販売価格を下げるべきか? それともOTAのプロモーション(モバイル割など)を使うべきか…?」
この2つは似ているようで全く異なる戦略です。焦って両方を同時に実施してしまうと、「ベース価格値下げ+OTA割引」の二重割引(スタッキング)が起き、稼働は上がっても利益が残らない「安売りの罠」に陥ってしまいます。
今日は、そんな感情的・反射的な値下げを防ぎ、冷静に利益を最大化するための「価格調整・OTAプロモーション判断フロー」を整理してみました。
💡 そもそも、どっちを使うべき?
結論から言うと、現代のレベニューマネジメントの基本は「ベースレート(基本価格)は極力維持し、プロモーションでターゲットを絞って需要を刈り取る」ことです。
- 需要そのものが弱い時 👉 プライシング(ベース価格)を下げる
- 特定の場所で見られ方が弱い時 👉 OTA施策(プロモーション)を打つ
この大前提をもとに、迷った時は以下の5つのSTEPで判断します。
🔍 事故を防ぐ!5つの判断STEP
【STEP①】まず全体を見る
👉 全体の稼働・予約ペース(Pickup)は順調ですか?
- YES → 焦る必要なし。STEP②へ。
- NO → 市場全体が冷え込んでいるのか、競合に負けているのかを確認した上で「ベース価格」を調整します。
【STEP②】チャネル(販売経路)を見る
👉 特定のOTA(Booking.comなど)だけが弱いですか?
- NO → 何もしない(ここで終了)。
- YES → STEP③へ。
【STEP③】本当に問題か判断する(誤差の排除)
👉 それは“誤差”ではありませんか?
ここが一番重要です。数日予約が入らないだけで焦ってはいけません。以下の条件を満たしているか客観的に確認します。
- 2週間以上、不調が続いている
- 前年比などで20%以上悪化している
- 売上だけでなく「予約件数」も落ちている
※すべてYESなら、STEP④へ。(NOなら様子見)
【STEP④】原因を切り分ける
👉 価格以外の「見え方」に原因はありませんか?
価格をいじる前に、OTA内での表示順位、メイン写真、レビュー点数、キャンセル条件などを確認します。そこに問題があるなら、価格は触らずにページ改善を優先します。問題がなければ、いよいよSTEP⑤です。
【STEP⑤】ここで初めて打ち手を実行
👉 対象OTAのプロモーションを「限定的」にONにする
モバイル割、Genius調整などの施策を打ちます。ただし、「必ず1〜2週間などの期限付きにすること」と「他の割引と重複して予期せぬ安売りにならないか確認すること」が絶対条件です。
⚠️ レベニューマネージャーの「絶対ルール」
最後に、私が自分自身に課している絶対ルールを共有します。これだけ守れば、大きな事故は防げます。
❌ やってはいけないこと
- コンバージョン率(CVR)が少し下がったからといって、即座に割引する。
- 「ベース価格の値下げ」と「OTA限定割引」を同時に実行する。
✅ 正しい考え方
- 迷った時、原因がわからない時は「何もしない」。
価格を下げるのは一瞬ですが、上げるのには時間がかかります。「Booking.comの予約が減っている」と局所的な不調に目を奪われず、施設全体の利益が取れているなら「あえて何もしない」というのも立派な戦略です。
毎日の数字に追われていると、つい反射的に価格を触りたくなりますが、迷った時はぜひこのフローを思い出してみてください。皆さんの施設の利益最大化の参考になれば幸いです!